人間科学部4年 前田 悠花さん 2015.8 更新
Q:早稲田大学への志望理由について
私の実家の地域は高齢者が多い土地柄で、高校生の頃から福祉の分野に興味を持つようになりました。一方で、心理学を学んでみたい気持ちもあり、進路選択で大いに迷った時期がありました。そこで大学についていろいろと調べてみると、早稲田大学の人間科学部であれば福祉と心理学、両方を学べるということを知って「ここしかない!」と第一志望に。人間科学部で学ぶことで社会福祉士の受験資格を得ることができるのも魅力的な点でした。現在は国家資格である「社会福祉士」の取得を目指しています。
また、福祉と心理学に興味を抱いたもともとの理由が「人とふれあうことが好きだから」。その点、早稲田大学は全国各地から学生が集い、世界中から留学生が集まる伝統のある学校です。さまざまな属性・出身の人と出会うことで自分の視野を大きく広げられるんじゃないかというのも、進路選択では決め手になりました。
実際に入学してみて感じたことは、学びたい意欲があれば学部や学科の枠も関係なく、自分が興味のある分野をどんどん広げることができるということでした。本当に開かれた学習環境だと思います。私の場合、もともと興味のあった福祉と心理学から始まり、社会学や医学、法律など時間の許すかぎり興味の幅を広げてカリキュラムを選択することができたのは、これから社会に出る上での大きな財産です。
というのも、私が目指している「社会福祉士」は、支援を必要としている人と実際の支援を結びつける、架け橋のような存在だからです。状況に応じて、医師、地域ボランティア、介護事業者、行政など、あらゆるリソースに働きかけて連携を図る必要が出てきます。その際、福祉の知識はもちろんのこと、医学や法律の知識も必要になる場面が出てくると思います。
人間科学部では、年金制度や医療保険制度、介護保険制度などの制度面の講義もあれば、カウンセリングや相談援助技術、介護技術などの実戦的な講義も充実しています。夏休みには1ヶ月間、福祉事務所での実習も経験しました。自分の未来に向かってまっすぐ進んでいる感覚を常に抱きながら勉強することができたのは、奨学金のおかげだと思います。
Q:奨学金に応募した理由
奨学金に最初に応募したのは2年生のとき。妹が大学受験を控えていることもあり、学費を払ってくれている両親の負担を少しでも軽減できれば、という考えから奨学金について調べてみたのがキッカケでした。こんなにも素晴らしい学習環境で学生生活を送らせてくれている両親には入学当初からいつも感謝していましたが、何か具体的な行動でその感謝を表してみたいと思いました。そんなときに「大隈記念奨学金」の存在を知りました。そして初めていただいたのが「大隈記念奨学金」でした。
調べてみると、この「大隈記念奨学金」は学業成績を重視して選考される奨学金であることがわかりました。それだけに、奨学生に選ばれた連絡をいただいたときには、元々の動機だった「親への感謝の気持ち」に加え、自分自身の今までの努力や頑張りが認められた気がして、本当に嬉しかったです。
3年時には「盛田和昭学業成績優秀奨学金」をいただき、4年生になった今年はまた「大隈記念奨学金」をいただけることが先日決まりました。選んでいただけたことが自信にもなり、もっと勉強を頑張ろうという学習意欲の向上につながっています。
また、奨学金は経済的な余裕だけでなく、時間的な余裕を得ることにもつながります。普段は塾講師のアルバイトもしていますが、奨学金があることでアルバイトだけに没頭することなく、自分自身のために使う時間を確保できるからです。その時間のおかげで勉強時間を増やせただけでなく、ボランティア活動にも打ち込むことができました。おかげで視野も広がり、充実した学生生活を送ることができています。
Q:寄付者との交流、つながり
いただいた奨学金は、当初は全額を両親に渡して、学費の負担を軽減してもらおうと思っていました。でも、両親からは「あなたが勉強を頑張って得た奨学金なのだから、あなた自身で考えて自分のために使っていいよ」と言ってもらいました。その言葉に甘えようかどうしようか悩んでいたとき、私の背中を押してくれたのが、寄付者の方や先輩奨学生の皆さんからのアドバイスでした。
早稲田大学では、年に1度、寄付者の皆さんや先輩奨学生との懇親できる「奨学生の集い」が開催されています。その会は私たち奨学生から寄付者の皆様へ感謝の気持ちをお伝えすると同時に、先輩方から直接アドバイスやエールをいただける貴重な機会です。初めてその懇親会に出席したときに印象深かったのが「奨学金は留学資金にした」「すべて本の購入資金に使った」「奨学金をいただけたおかげでやりたい勉強に打ち込むことができた」と、自己研鑽に奨学金を使っていた先輩方がたくさんいらっしゃったことです。
専門分野を深く掘り下げれば掘り下げるほど、参考書や本はより厚く、高額なものになりがちです。私自身、以前は欲しい本があっても値段を見て躊躇することが何度もありました。でも、先輩方からのアドバイスで、奨学金はすべて本や参考書代に使おうと思い切ることができました。おかげで、本を読みたい、知りたいという気持ちに素直になることができ、その結果としてさらに勉強が楽しく、意義深いものになるという好循環が生まれています。
懇親会ではほかにも、普通の学生生活を送っていてはお会いすることができない人生の大先輩の皆さんと直接話をしたり、アドバイスをいただくことができます。奨学生に選ばれて良かったと思える瞬間です。
Q:奨学金の意義
早稲田大学には、給付型・返済型をあわせれば、本当に数多くの奨学金制度が用意されています。経済的な理由で大学進学を諦めたりせず、ぜひとも一歩踏み出して欲しいと思います。
奨学金制度に限らず、早稲田大学は自分がやりたいことに対して応えてくれる選択肢がとても多い場所です。そして、教授や先輩方など、背中を後押ししてくれる方々が大勢いらっしゃいます。興味がある分野が決まっている人なら、間違いなく満足のいく学びが得られると思います。私のように専門分野がひとつに定まっていない場合でも、学んでいくうちに自分が本当に興味のある分野に出会えたり、視野が広がって面白いと思えるジャンルがきっと見つかるはずです。
そして、本当に学びたいものに出会ったときに、奨学金制度がその助けになります。
学びたい意欲がある人が、思う存分学べるように支援していただける奨学金制度は、本当にありがたいものだと思います。寄付者の方には本当に感謝してもしきれません。これから卒業して社会に出てからもこの感謝の気持ちを忘れずに、早稲田大学に、そして社会に恩返しがしたいと思っています。