種田 ゆみこ 様


種田 ゆみこ(おいだ ゆみこ) 様
公認会計士、税理士

早稲田大学商学部卒業後、朝日監査法人(現あずさ監査法人)において、多業種にわたる法定監査、株式公開支援業務、M&A財務デューデリジェンス業務、US及びJ-SOXアドバイザリーなどに従事。その後、提携先のアーサーアンダーセンLLPロサンゼルス事務所に駐在し、グローバル企業の海外連結子会社に関する監査業務や経理業務改善プロジェクト等を手掛ける。2008年に独立し、株式会社ブレイン取締役に就任。新事業として公認会計士等の派遣・紹介業を立ち上げる。また個人活動としては、公認会計士協会近畿会役員、税理士として会計事務所経営及び会計・経営に関する講演活動など、活躍のフィールドは多岐にわたる。
2012.06更新

Q:「ロサンゼルス(以降、LA)稲門会JAPAN」の幹事長を経て、海外における早稲田大学の繋がりをどのように感じていましたか?

早稲田大学の海外稲門会は49(2012年6月現在)あり、LA稲門会だけでも約130人の会員がいましたね。現在は、LAから日本に帰国した人たちで設立したLA稲門会JAPANという日本支部に所属し、また14ある海外稲門会日本支部で海外稲門会連絡会を作り、毎年稲門祭の際に合同懇親会を行っております。このように海外においては勿論、帰国後も、早稲田大学卒業生の繋がりを非常に強く感じていました。
私はトレーニーとして現地の会計事務所に駐在するためにLAに渡ったのですが、その前は現地に稲門会があって早稲田OB・OGが積極的に校友会活動をしているとは思いもよらなかったです。11月に渡米してすぐにLAの寿司屋で偶然居合わせた日本人男性と私の旦那がアメフトの話で盛り上がり、よくよく話を聞くと早稲田の大先輩だとか。初対面なのにLA稲門会の新年会に誘われたのに行ってみたら、その方がLA稲門会の元会長かつ有名な日系弁護士としてクライアントの顧問弁護士だった。そこで一気に距離が縮まりまして、現地の稲門会に出入りするようになったんです。
現地稲門会と出会えてありがたいと感じたのは、「輪」を感じられること。海外へ行くとなると、それなりに不安もありますよね。ただ、「私も君も同じ早稲田だから助け合おう」という風潮が身近にあるのとないのとでは、やはり安心感がまるで違う。ですので、私が早稲田のすごさ、早稲田のありがたみを知ったのはその時が最初でした。卒業するまでは、気づきもしませんでしたね。


Q:LA稲門会ジャパンでは、現在どのような活動をなさっているのですか?

毎年行う新年総会や、LAからの一時帰国者の歓迎会の企画など稲門会メンバー同士がコミュニケーションを豊かにとれるための企画が大半でしょうか。春秋のゴルフ行事、夏の納涼イベントなども。また、先輩方にはマスコミ関係者が多いので、マスコミ裏話などのミニセミナーの開催や、LAに出かける人に、LA稲門会を紹介し、現地でケアしてもらえるようにしています。最近では海外稲門会の認知度も上がってきていますから、現地に到着してからよりも、出発前にコンタクトを取っていくケースが増えてきています。
他には、早稲田の横のつながりをできるだけ活かすためのボランティア活動なども、イレギュラーではありますが、活動内容には入ってきますね。例えば、東日本大震災が起きたとき、LA稲門会ジャパンが拠点となって、メンバーの安否確認を行い、海外関係者に連絡したり、LA稲門会ジャパンとして寄付をしようと呼び掛けたりしていました。震災直後の海外の動きは目覚ましいものがあり、LAでもすぐに現地のLA稲門会会員が動いて、稲門会メンバーから、また韓国の早稲田との友好関係にある高麗大学南カリフォルニア校友会から多額の募金が集まったのです。それらをどこへ寄付するか彼らと相談し、LA稲門会はWASEDA  USAに寄付を、私たちLA稲門会ジャパンはWASEDAサポーターズ倶楽部を通じて、被災学生支援に寄付をすることにしました。

Q:大学と稲門会のつながりは密になっていると感じますか?

そうですね、創立125周年記念でも多額の寄付金が集まったそうですし、奨学金制度をもっと利便性の高いものにしようという動きも、稲門会の中ではあります。但し、そうした動きが活発になってきたのは、ここ10年くらいかもしれませんね。それまでも具体的な形でなくても「早稲田の卒業生である」という無形の繋がりは強く、母校を温かく見守っていた人たちは大勢いましたが、それを形にしていく基盤ができてきたということでしょうか。
もともと早稲田の卒業生はおもしろい傾向があって、OB・OGが集まればどこでも校歌を歌い出す。カラオケにも都の西北や紺碧の空がありますし。またLA稲門会の元役員には60代くらいの年輩の先輩方も多いのですが、彼らが海外に出たときは、景気もうなぎ上りで、日本企業の海外支局がどんどんできてきたころで、駐在を辞めて現地で独立して今に至るそうです。そこが、駐在員が多いゆえメンバーの入れ替わりが激しい慶応との違いらしいです。そんなモーレツ精神とあいまって、早稲田魂といいますか、そういうものが混ざり合って、それはもう集まるとスゴイことに。LAの夜に、早稲田の校歌が響き渡っている光景って想像できますか? そうした繋がりはなかなか消えるものではありませんから、年々より密に、より広がっているように思いますね。

Q:最近の早稲田大学について思うところを聞かせてください。

早稲田学報や寄付金の案内などで大学側から卒業生にアプローチすることが多くなってきており、「早稲田卒業生」というアイデンティティを強く感じられるようになってきたと思います。例えば、寄付金ひとつとっても、普段はなかなか腰が重くても、何度も早稲田大学の情報に接するうちに、ふと「寄付をしてみよう」という気持ちになることだってあると思うのです。特に早稲田のOB・OGは「早稲田? 好きだけど、嫌いだね」なんて愛校心を見せない、“素直じゃない”人が少なくない。だけど、実はすごく母校のことを誇りに思っていたりするので、関われること自体が嬉しかったりするわけです。大学側のアプローチが、卒業生の、そうした心の窓を開けているのはよいことだと感じますね。卒業生が母校に何かしらの還元ができ、還元を受けた学生が卒業して、またその輪の中に加わっていくというのは、誰にとっても喜ばしいことだと思います。

Q:今後の早稲田大学に期待したいことはどのようなことですか?

新聞記事をみると、最近の学生は海外に飛び出していかない傾向があり日本全体の問題だと聞こえてきます。しかし、海外経験をした立場から言わせていただくと、とにかく若いうちに海外に出てほしいと思います。それは在学中に留学をするという形でもいいですし、就職して海外支局・支店での勤務を目指すのでもいい。一度は海外での生活を経験して欲しいのです。日本がリーダーシップを取り戻せるような国になっていくためには、そうした経験を持つ人材の輩出は不可欠ですからね。特に昨今は、国内だけでなく国際市場に目を向けたビジネスが多くなってきているので、一度は海外を見ておかないと、将来的に立ち行かなくなってしまうことがあるかもしれないですよね。
海外に出ない人の理由を聞くと、その大半が「不安」を口にしています。しかし、現在は早稲田大学の海外稲門会ネットワークは世界的に盛んになっていますので、そこを頼ったら、何かと便宜を図ってもくれて、面倒を見てくれるはずです。そうした仕組みや環境を利用しない手はないんですよ。OB・OGとしては、早稲田だからこそ、頼れる先輩がいるという喜びを、卒業後に感じてもらえるような環境づくりを進めていきたいですね。
そして、早稲田大学への一番の要望は、もちろん、いわずもがな、世界の中でも早稲田が「覇者」でいること、世界のWASEDAとして世界に選ばれる大学であること、です。